師匠を信じ、謙虚にすべてを吸収! ~これからの野菜業界はブルーオーシャンの世界です~ 🥒野菜
Oさん(45歳)令和6年4月就農(取材:令和7年6月4日 YN記 協力:音更町)

【地域の概要】
音更町は帯広市中心部から車で15分ほどに位置し、道内各地へのアクセスがしやすく豊かな自然と住みやすい都市が共存しているまちです。夏は最高気温約37℃、冬は最低気温マイナス約32℃と寒暖差が大きい内陸型気候です。雪は少なく、湿度は低くカラッとした十勝晴れの日が多い住みやすい地域です。
主要農産物は畑作4品(小麦、豆類、馬鈴しょ、ビート)に加え、野菜(長ねぎ、ブロッコリー、ほうれん草、きゅうり等)生産が盛んで、新規就農者の取り組み品目となっています。
【動機から就農まで】
旭川市出身のOさんは、飲食業に従事しコロナ禍を過ごす中、冬に出荷される音更町の「ちぢみほうれん草」の肉厚な食感と味に感動し、農業を目指そうと考えました。その後、音更町ホームページから「新規参入者の就農研修受入情報」を発見。農業体験を申し込みました。
土に触れる体験は解放感があり「自分はこの仕事が合っている!」と実感しました。翌春から北海道指導農業士を務める師匠のもとで野菜づくりを学び、「自分はこの世界で一番の下っ端」、「すべてを吸収する」という気持ちで2年間の研修を終えました。
研修地に近い農地の紹介を音更町から受け、きゅうり、ほうれん草、長ねぎの3品目で営農をスタート。1年目、失敗と言われるほとんどを経験。独り立ち後の管理作業は想像以上に難しかったそうです。2年目は経験した失敗のひとつひとつをクリアーし、順調な滑り出しとなりました。
飲食業から農業へ転身したOさんは、野菜生産はブルーオーシャンの業界と感じています。誰でも取り組める飲食業はライバルがとても多い、それに比べ農業は条件が整わないと取り組めず、高い栽培技術と新たな価値を備えれば野菜はどんどん伸びていけるブルーオーシャンの世界という意味です。
就農研修先の師匠は、Оさんがその味に感動したちぢみほうれん草の栽培農家でした。師匠を信じ常に謙虚に学ぶ姿勢が、ハウスでのびのびと育つ野菜につながっています。
【経営概要】
農地面積 35 a
経営内容 きゅうり 11a、ほうれん草 1a 、露地長ねぎ 8a、
施設 ハウス6棟
【就農支援制度の活用】
農業次世代人材投資資金(準備型・経営開始型)
音更町研修生活支援金(研修手当、家賃補助)
【研修で苦労した事】
・初めての体験ばかりで、何をしていても新鮮で苦労したという感覚はまるっきりなかった。
【就農後苦労した事】
・全体の流れを把握し進めるべきところ、実際は大きく勝手が違い、後手にまわる事が多くなり、失敗と言われることは、ほとんど経験した。
【就農して良かった事】
・利益率の高さを実感
・作った野菜を食べた家族に「おいしい」と喜んでもらえたこと
【後輩へのアドバイス】
・常に謙虚に
【経営の目標】
・きゅうり、長ねぎの規模を拡大
・他の作物の研究も進めていきたい