頑張ってます!新規就農者

留萌市

★留萌市 Tさん

留萌産ブランド「大輪のトルコギキョウ」の技術を受け継ぐ!

Tさん(47歳) 平成29年2月就農
(取材:令和4年10月4日 KI記 協力:留萌市)

【地域の概要】

 留萌市は、北海道北西部の日本海に面した港町。ニシン漁とともに発展し、日本一の生産を誇る「かずの子」をはじめとした水産加工業を基幹産業としています。地形は東西に走る留萌川を中心に両翼には平原、丘陵が続き、南側は比較的高度のある山並みがあり、北部は低位な丘陵地です。留萌市の農業は、約800haの耕作面積で、高品質米の稲作を中心に、小麦、大豆、野菜、花きなどバラエティに富んだ農業が営まれています。
 なかでも花き栽培は、夏の冷涼な気候を活かしながら、るもい花き生産組合が築きあげた技術で、最北の花産地としてトルコギキョウやスターチスなどを中心に高品質な花きを出荷しています。特に「大輪のトルコギキョウ」は、豊富な花色や日持ちの良さ、花の大きさは、道内外の市場から高い評価を得ています。

【動機から就農まで】

 大阪府の非農家出身のTさんは、知人が北海道の農業法人で働き始めたことを聞き「自然の中で働くことが好きな自分にも農業があっているかも・・・」と思ったのがきっかけです。
 新規就農の道を模索する中、インターネットを見ていると留萌市がH26年から新規就農者支援事業を拡充して、新規就農者募集をしていることを知りました。すぐ問い合わせし、留萌市を訪問。研修先の指導農家(師匠)で大輪のトルコギキョウ栽培を見て、花の美しさに魅了され、花農家になることを決めました。
 H27年から2年間、師匠のもとで実践に近い研修を経て、H29年2月に就農しましたが、制度拡充後、第1号の新規就農者という事もあり、就農地を確保することに苦労したそうです。

【就農してから】

 就農2年目で、日本で初確認の花の病気と大雪による作業の遅れなどが重なり、経費が予想以上にかさみ、経営的に苦労しました。また、令和2年までは多品種、多品目栽培をしていましたが、R4年は2品目の作付けにしました。実は、R3年7月に大病を患い急遽入院・治療を余儀なくされ、退院できたのは年明けとなりました。その間、出荷や後片付けは師匠をはじめ地域の方々にお世話になり、支援してくださった皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいだそうです。
 「しっかりした経営を継続していくことで、恩返ししていきたい」と、決意をあらたに力強く話してくれました。

【経営概要】

・労働力:本人1人。常雇用2人、臨時雇用2人
     るもい花き生産組合で取り組む「フラワーサポーター」という
     酪農ヘルパーのようなシステムを利用
・経営面積:1.1ha(借地)
      トルコギキョウ、スターチスのほか、そば、牧草を委託栽培
・機械・施設:トラクター1台、ビニールハウス6棟

【就農支援制度の活用】

・農業次世代人材投資資金(準備型・経営開始型)
・青年等就農資金
・留萌市助成金

【経営の特徴・目標】

・師匠や先輩方が作り上げてきた留萌の花「大輪トルコギキョウ」の高い栽培技術力の継承。
・今の経営規模を維持しながら、身体の負担にならない作付け計画と経営の安定化。
・高品質な花栽培のための土づくり

【後輩へのアドバイス】

・農業は思った以上に経営面で厳しいので、事前に経費や所得額について情報収集し、覚悟をもって就農することを勧めます。
・各専門分野の関係機関・団体からよく話を聞くことも大事なことです。
・大変なこともあるけど喜びも大きく、農業はやりがいのある仕事です。
・一生懸命にやっていれば、周りの人がサポートしてくれるので、やる気を持って本気で取り組むことが大切だと思います。