ニュージーランド

酪農 男性

<ニュージーランド野菜研修報告>

1) フロー・マックエバン農場(ハブロック・ノース)
滞在期間:2006年6月10日~8月9日

 私がニュージーランドに来て最初の農家になります。ここの農場ではピーマンのみを栽培しています。ピーマンと言っても大きく、色は赤、黄、緑でパプリカみたいな感じです。ピーマンはビニールハウスとグラスハウスで栽培していて、黒いビニールとかん水チューブを使用しています。年に2回栽培しており、私が訪れた時は丁度収穫時期でした。この農場は規模が小さいため機械などのような物は使用しません。基本的に経営者が仕事しています。忙しい時期になると知り合いやワーカー、そして私のようなニュージーランドに訪れた人達を受け入れています。

 収穫はハサミを使用し、バケツに入れていきます。それを一輪車いっぱいにいれ倉庫に運び選別します。収穫したピーマンは色と大きさに分け、箱に詰めます。それを知り合いの人が市場まで運んでいきます。収穫が終わると、ピーマンの茎葉処理が始まり黒いビニールを剥がす作業を行いました。その後ロータリーをかけ、肥料を散布しました。肥料は土壌調査を行った後散布した。

 ピーマン関係の仕事は以上で終わり次の植え付けを待つことになります。残りの日にちは主に庭の整備でした。基本は一人で仕事しているので、本当に農業が好きではないとなかなかできないなと思いました。

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2) ラッセル・グランド農家(タウランガ)
滞在期間:2006年8月9日~8月15日

 2ヶ月間がすぎ次に訪れたのは花類とベリー類を栽培している農家です。仕事はベリーの後処理と花の除草でした。後処理はベリーの枝を切り、丘の上まで運ぶ作業でなかなか疲れる作業でした。とても自然に恵まれていて土地条件はあまり良くはありませんでしたが、とにかく家から眺める景色は最高でした。こういう場所での仕事はとても良かったです。仕事は基本的に一人で行っていて、面積は少しですが大変そうです。たまに私みたいなワーカーを加えて仕事をしています。
 ここには6日間しか居ませんでしたが、家族の人にとても良くしてもらいました。

3) グレアム・フェア農家(タウランガ)
滞在期間:2006年8月15日~9月8日

ここの農場には3週間滞在しました。主にハウス栽培を行っており、その他に豚、ベリー類その他野菜・果物を10品目以上栽培しています。2人の夫婦が住んでおり、奥さんはナーサリーで働いています。普段の実習はボスと2人でおこなっています。

 仕事は豚の餌やりから始まり、その時期はハウスに収穫が終了したトマトの茎の後処理や庭の整備をおこなっていました。ここの家のハウスは多品目の野菜を栽培しており、大きなかん水用のパイプが設置されています。かん水作業はすることはできませんでしたが、次に植え付けする作物の播種作業をすることができました。

 その他は主に除草、整備等の作業でした。面積は多い方ではありませんが、栽培している品目が多いため管理作業が大変という印象が大きかったです。しかし品目が多かったので沢山の作物に携わることができました。

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4) ヨハン・ラーン農場(ケリケリ)
滞在期間:2006年9月8日~2007年1月4日、2007年4月11日~5月9日

 私がニュージーランドで一番長く滞在し、一番苦労した農場です。ここケリケリのほかにカイタイアという所にも土地を持っています。主に栽培している作物はズッキーニ、スイカ、メロン、ナス、スイートコーンです。その中で最も農場の中心となっているのはズッキーニです。仕事は大変ですが、収入はこの中で一番だそうです。

 私はまずカイタイアというケリケリから約100km離れた所で実習をしました。その時期はスイートコーンとスイカの植え付け作業でした。10haある畑に手で苗を植え付ける。本当に手でやるのかと驚きを隠せませんでした。しかし彼らは当然ながら作業をしていました。それでも手作業は自分も自信があったので、必死に頑張りました。植え付けが終わるとすべての苗にビニールを被せ、保温対策をしました。除草作業もすべて手で行うため、大変な思いをしました。

 実習は主にズッキーニの収穫でした。面積はズッキーニだけで約26haありナイフで収穫します。作業は家族の人3人と私のようなワーカーで進めていきます。人がいない時は本当に苦労しました。他の農場は休みがありゆとりのある生活を送っていましたが、ここは休みがほとんどありませんでした。しかしこれが農業の辛さだとあらためて実感しました。ここの農場では他の国の人が沢山いたので交流が充実しました。

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5) ウィルコックス社(プケコヘ)
滞在期間:2007年1月6日~3月10日

 ここはニュージーランドを代表する大規模農家です。プケコヘという所はニュージーランドでも大規模畑作野菜地帯で、機械化が進んでいます。農場名はウィルコックスと呼ばれ、大きな会社になっています。畑はここプケコヘのほかに2カ所あり総面積は約2000haあります。主に馬鈴薯、玉葱、人参、柿を栽培しています。ほとんどの作業が大型機械によって行われています。今まで見てきた作業とは大きく違いました。専属の従業員が仕事を行い、忙しい時期は海外から沢山のワーカーを雇っています。
 機械を担当するときは収穫された作物の運搬、積み込みをおこないました。

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6) ブレント・フェレッティ農場(ネルソン)
滞在期間:2007年3月25日~4月4日

 南島の有機農家で実習することができました。2人で経営しており、栽培作物は野菜を中心に果物も栽培しています。面積は約5haくらいと小規模でしたが全て有機栽培でした。農薬が使用できないため、病気虫害に気をつけなければなりません。主な仕事は除草作業や収穫作業でした。収穫したものを週に一回地元で開かれるマーケットで販売しています。沢山の人達に利用され、信頼性の大切さを学びました。有機栽培は自家でも興味があるので良い経験になりました。

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実習を終えて
 とにかく充実した一年でした。実習先の経営は栽培している作物、作業など自家とは違いがあった。経営規模も大小さまざまだったため、学び得たものが大きかった。ほとんどの農家が品目を多く栽培していて、管理が大変という印象を受けた。農産物を市場に出荷する他に自家の直売所を設けて販売をおこなっている農家が多いと感じました。

 沢山のことが印象に残り、良い実習ができたと思います。充実したからこそ一年間が短く感じたのだと思います。これからはこの一年間で得た経験がいかせるように頑張っていきたいです。