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石狩市 Sさん

「農業の進展性と安定性に期待~石狩市高岡地区でミニトマト栽培」

[Sさん(61歳) 平成28年9月就農 石狩市]
(取材:令和2年8月27日TC記  協力:石狩市農業総合支援センター)

地域の農業
 石狩市は、「石狩川」と広大で肥沃な「石狩平野」、そしてミネラル分豊富な石狩湾に臨む自然環境に恵まれ、札幌市に隣接している都市近郊型農業地帯と石狩川の右岸を中心とした純農村地帯が同居しています。
 石狩市の農業地域は、ミニトマトやメロンなどの施設園芸と馬鈴薯・小麦・水稲を中心とした高岡地区、水稲・小麦と人参・大根・サヤエンドウなどの露地野菜を主とした北生振と美登位地区、左岸には小麦・牧草の畑作と大根・長いもなどの露地野菜を主とした生振地区、サヤエンドウ・アスパラガス・メロンなど労働集約的な野菜を主とした花畔地区と概ね4つに区分されます。
 その中でも高岡地区は、高台で農業用水の確保に悩まされていましたが、事業の実施により水の確保が可能になり年々ハウスも増え、平成12年に新規参入第1号を迎えて以来、数多くの参入者が定着している地域です。
就農の動機と就農まで
 40歳頃から農業をやってみたいと思っていたSさん。定年が近づくにつれ、より農業へと突き動かしたのは、自営業の中では経営的に安定性があり、かつ自然と共に生きることができるという、農業の進展性に期待する想いからでした。
 就農地として石狩市と縁を結んだのは、最終勤務地が札幌市内にあり、自宅の近くで研修を受けることができること、55歳の定年後でも就農ができるという条件にマッチしたからだったと言います。
 平成27年4月から平成28年8月までに石狩市内の農場で就農研修を行い、研修後9月に石狩市農業総合支援センターの紹介で、中古住宅付きの農地にハウス5棟を建て経営を開始しました。
現在の経営規模
土地:農地 2㌶、雑種地 1㌶(令和2年2月に購入)。
施設:ミニトマトハウス(100坪)7棟。今後1棟を増加する予定。
機械:トラクター2台、ショベルローダー、除雪機など。
労働力:本人、家族1名、年間パート人数5名
経営の特徴
 Sさんがハウス栽培で生産しているミニトマトは、JAいしかりのオリジナルブランド『いしかり DE CHU!』 として、6月下旬~11月上旬までに収穫する全量をJAに出荷しています。
 品種は「キャロル10」で、平成16年にYES!clean(イエスクリーン)の認証を受け、自然環境と安全安心を考慮し栽培しています。
 *YES!cleanとは~土づくりを基本に、農薬や化学肥料を少ないクリーンな農業技術で生産された農産物に「北のクリーン農産物表示制度」に基づいて、北海道独自の「YES!clean」という登録商標を付けています。

 JAいしかりでは、札幌市近郊という利便性を活かし農作業のパートさんを募集し、人手を必要とする農家へ紹介しています。
 取材に伺った8月下旬は、ミニトマトの最盛時期である上に最高気温が30℃近い天候が続いており、一日に0.5㌧も収穫する時期でした。SさんもJA のグリーンサポートから、農作業のパートさん5人を午前中のみ派遣して貰い、SさんとSさんの娘さんが総出で収穫を行っていました。特に収穫時に色別を要するミニトマトでは、女性のパワーが欠かせないと言います。
就農支援制度の活用
・経営体育成強化資金(農地購入)
・青年等就農資金(ハウス増棟)
<その他石狩市独自の支援策>
・農地賃借料助成(1/2以内、最長3年)
・就農時のビニールハウス購入助成(1/2以内を最長3年間5棟まで)
・就農時設備投資支援助成(上限50万円)

 50代後半で就農する事になったSさんが活用できる就農支援制度は多くはなかったそうですが、農地取得の資金調達や諸調整などで石狩市農業総合支援センターのサポートがあり、とても良かったと話して下さいました。
経営の目標
 ミニトマトハウスを8棟に増やし、半促成長期どりの収量7,000㎏/10a(令和元年の生産実績)を増加させること。昨年はハウス7棟で15㌧を出荷しましたが、目標は1棟当たり2㌧をめざします。
 新規就農をして良かった点は、将来的にも経営者として比較的安定経営ができること。ミニトマトが施設栽培であり地域で成功させていることが、年間の所得計算ができる安定経営に繋がっていると言います。
 さらにSさんは、定年後のライフスタイルの一つとして、ミニトマトの施設栽培は「小規模経営でも経営が成り立つ営農タイプ」として、特化させても良いのではないかと力説されていました。
後輩へのアドバイス
・資金は潤沢になければ無理
 制度上のことではありますが、金銭的なことがネックになります。Sさんの場合は、(研修中の)生活費が全部持ち出しになり、無給で研修をすることになりました。
・仕事内容は精神的に楽
 一般社会人として働いたことのある人なら人間関係のストレスが楽です。
・体力的に無理をしない(8割でよい)
雑感
 高岡地域は人のつながりが良好で、ミニトマト部会にも新規参入者の割合が増えています。参入者のメンバーは、ミニトマトの部会活動でもよく顔合わせをし、現地研修会等でも頻繁に情報交換を行っています。
 Sさんが期待する「農業の進展性と安定性」は、新規参入者自らが永年かけて作り上げ、引き継ぎ続けているものでもあるのです。

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