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新ひだか町 Sさん

新ひだか町<しずない地区>で、ミニトマトで就農したSさんをご紹介します。

[Sさん(46歳)、平成26年4月就農、新ひだか町]
(取材:平成29年6月21日 TC記、協力:新ひだか町・JAしずない)

地域の概要
 温暖な気候と豊かな自然に包まれ、競走馬のふるさととして知られ、日高地方の行政・産業そして文化の中核都市である「新ひだか町」は、2006年(平成18年)3月31日 に静内郡静内町と三石郡三石町が合併して誕生した。
 人口はおおよそ23,000人程で、生活に欠かせない医療や福祉、商業施設等も充実している町である。冬の厳しさが懸念されがちな北海道だが、夏は、暑い時期でも月の平均気温が21℃くらいと涼しく、また、冬は、寒い時期でも月の平均気温が-5℃くらいとあまり冷え込まず、降雪量も少ない地域である。
 日高山脈の麓に肥沃な大地が広がる新ひだか町は、ミニトマトや花き(観賞用の花)、水稲など多彩な作物が育つ農業王国でもある。
 新ひだか町内には、JAしずないとJAみついしとの2農協があり、JAしずないのミニトマトは「太陽の瞳」をブランド名にし、道内外の市場で高評価を得ている。次いで黒毛和牛、乳牛、水稲では「万馬券」と続く。一方JAみついしは、軽種馬、肥育牛、そして華やかなデルフィニウムをメインにした「みついし花だより」。これらが新ひだか町の主力農産物である。
動機から就農まで
 非農家の出身で会社員だったSさんだが、「農業をすることは子供の頃からの夢だった」と言う。埼玉県の農家で農業研修をした経験が、就農への意欲を一気に噴き出させた。
 北海道の農業を見てみたいと、新・農業人フェアに参加し、独身でも出来る町を紹介してもらったのが、「新ひだか町」だった。町内にまだミニトマトの研修センターが出来ていない平成24年4月、ミニトマト一筋、静内ミニトマト部会の部会長中道雅則さん(平成25年度に北海道指導農業士に認定)の元で、技術と経営をしっかりと学ぶことになった。
翌年縁があり、町内で経営の規模を縮小する予定の農家で1年間研修をし、26年4月からその農家の圃場や施設を借りて「Sさんの農業経営」が始まった。
経営概要
ビニールハウス18棟(5,800㎡)、牧草地53a
トラクター2台、マニュアスプレッタ1台、防除機1台、倉庫2棟
労働力:自分、パート(6人)
栽培方法:3月初旬定植の促成と6月定植の半抑制、そして7月中に定植する抑制の3パターン。
生産量:反収は平均3,600㎏
販売方法:農協出荷
就農支援制度の活用
自分で農業をやりたいと思い続けていたSさんは、その準備も怠りなく、かなりの自己資金を用意したことで、就農支援制度を活用したのは、新ひだか町の「農業後継者育成推進事業」のみである。
経営の目標
 賃貸している既存施設を有効に活用し、施設に係る過大投資を抑える事や、運転資金を確保し、安定した所得確保と経営基盤の確立を目標にしている。
 「1年目はリースなのに利益が入らないのは意外だった」「今の規模ならもう少し稼げると思っていた」というSさんだが、就農3年目(平成28年)には青年就農給付金の経営開始型の交付から卒業している。
 単価が高い時期の出荷をめざした栽培にも挑戦したが、外した時のリスクも高いので、平均した単価を狙う方が良いのではないかと言う。反当り収量は平均4,000㎏をめざしている。
就農前に習得した方が良いと思う事
生産物を作るノウハウ
必要な労働力・設備・道具・作業をイメージしておく
サラリーマンと「経営者」の違いを自覚
税金・年金・土作り
特に経理、経営に関すること。実際に経営を開始してみると、お金回りが分かっているようで理解していない事が多かった。事前には習ってはいたが、実際の数字ではないのでイメージが薄かった。経営的な部分の事前勉強が手薄だったと感じている。

後輩へのアドバイス
サラリーマンから農業へ転職した経験からのアドバイスがいくつかある。
・定期的な給与のように計算できる入金がなく、設備の修理など不確定な出金もあるので、運転資金の確保は大切。
・パートなどの労働力も土地や施設を借りている農家から受け継いだとはいえ、こんなに休みが無いとは思っていなかった。作業に見合ったパートの確保は必須。
・就農1年目は先が見えないが、3年目で一通り雰囲気は想像できるようになったし、将来を見通せるようになる。
 
 「就農から今までの経験で、経営にも自信がついた」と、Sさんの表情も「太陽の瞳」のように輝いていた。

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