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新ひだか町 Mさん

道内一のデルフィニウムの産地・新ひだか町<みついし地区>で、花を育てる女性と出会いました。

[Mさん(29歳)、平成27年4月就農、新ひだか町]
(取材:平成29年6月21日TC記、協力:新ひだか町・JAみついし)

地域の概要
 温暖な気候と豊かな自然に包まれ、競走馬のふるさととして知られ、日高地方の行政・産業そして文化の中核都市である「新ひだか町」は、2006年(平成18年)3月31日 に静内郡静内町と三石郡三石町が合併して誕生した。
 人口はおおよそ23,000人程で、生活に欠かせない医療や福祉、商業施設等も充実している町である。冬の厳しさが懸念されがちな北海道だが、夏は、暑い時期でも月の平均気温が21℃くらいと涼しく、また、冬は、寒い時期でも月の平均気温が-5℃くらいとあまり冷え込まず、降雪量も少ない地域である。
 日高山脈の麓に肥沃な大地が広がる新ひだか町は、ミニトマトや花き(観賞用の花)、水稲など多彩な作物が育つ農業王国でもある。
 新ひだか町内には、JAしずないとJAみついしとの2農協があり、JAしずないのミニトマトは「太陽の瞳」をブランド名にし、道内外の市場で高評価を得ている。次いで黒毛和牛、乳牛、水稲では「万馬券」と続く。一方JAみついしは、軽種馬、黒毛和牛のブランド牛である「みついし牛」、水稲では「トキノミノル」、そして華やかなデルフィニウムをメインにした「みついし花だより」がある。
動機から就農まで
 大学のゼミで学んだ事がきっかけで、花に関する興味が強まり、いつか花に携わる仕事に就きたいと思っていた。道外の飲食チェーンの正社員として働いていたが、花に携わる仕事がしたいという気持ちが強くなり、退職。地元に帰省後に知り合いから、新ひだか町の研修制度の事を聞き、研修をスタートさせた。
 新ひだか町では花きで新規就農する場合は、町内三石地区にある農業実験センターでの研修を終え、平成27年4月に就農した。
経営概要
 面積2,552㎡、うちハウス4棟1,650㎡に、デルフィニウム(約1,200㎡)、ダリア(約400㎡)を作付している。
 土地は農業委員会を通して、定められた賃貸料を支払う。
ハウス、施設・機械の使用料は賃貸(リース)で、売り上げの10%を支払う。
ハウスビニールの張り替えは使用者負担となっている。
労働力はフルタイムで1人、平日のパート2人、土・日のパート1人で計5人。
地元の出身であり、身近に作業を手伝ってくれる助っ人がいる事は経営的に有利である。
出荷先は主にJA。
 同じ敷地内で、別のハウスを他の新規就農者が経営しており、互いに協力して敷地内の全ハウスの作業を行っている。Mさんはこの状況を“共同作業経営”と呼んでいる。
就農支援制度の活用
新ひだか町の農業実習制度
経営の目標
 就農2年目でもあり、当面の目標は販売額を上げる事である。まずは今の1.2倍の販売金額を目標としている。
 出荷できない花のロスを減らすために、押し花加工やフラワーアレンジメントで、より多くの人に花を楽しんで貰えるようにしたい。
 経営規模は現状維持とし、結婚・出産を経ても経営ができる体制を作って行きたい。
就農前に習得するべき事
 1年という限られた研修期間の中で、選花基準、栽培上の病害虫の対策はしっかりと習得しておく。実験センターでは、各種試験も行っているので(高温障害や薬害など)その事例を活かすよう工夫する。
 また、経営を考えることや、確定申告の仕方などを勉強しておけば良かったと思う。
後輩へのアドバイス
 自分のペースで仕事はできるが、生活の大半が仕事になるので、計画性と精神力が必要になる。
 前職ではパートさんと一緒に働く事を経験した事、実験センターでの研修では、先輩農家との交流等ができたことが、就農してからも役立った。
地域ぐるみで新規就農を応援!
 新ひだか町では、現在花きの研修中で今後就農予定の女性もおり、ここ数年で単身女性が複数就農している。農家を止める人のハウス建材を分けて貰うなど、初期投資を大きくかけずに、女性が一人でも花き栽培を始める支援が受けられるのが特徴だ。
 Mさんを花き生産者として暖かく応援するJAみついしは、「ハウスが6棟と露地が少しあれば、花き農家として食べていける」と言う。「花は生活必需品ではないので、いかに良いものを作り単価を上げていくかが課題になる。選んで貰えるいいものを作る、新規参入者にはこれしかない」ときっぱり。
 一方町内では、専門家と呼ばれる栽培のエース格が高齢になりつつあり、宿根スターチス・シネンシスを栽培できる若手を増やしていきたいという本音もある。
 デルフィニウムの花言葉は「あなたは幸福をふりまく」。
 新ひだか町で花を栽培し始めたMさん達が、地元に根を張り「幸福の波紋」を広げていく日も近い。

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